成田を20時10分初のNW10便で発って6時間少し後、窓の外には見慣れたオアフ島のマカハサイドの景色が広がった。 ハワイ時間は午前7時を少し回った頃。 冬のハワイではまだ空に夜の余韻が残る。
Hau'oli Makahiki Hou. (新年あけましておめでとうございます)
またこの年末年始、ハワイのブラ達に会いにハワイに帰ってきた。 足掛け17日間。 旅行としては長いが、あまりにも短い滞在だった。 この間、ブログのアップができなかったことをまず初めにお詫びしなければならない。
今回もまた人間らしさへと回帰する旅になった。 今日からまた少しずつ皆さんと僕の体験をシェアしていきたいと思っている。
僕はその運賃の安さと、友人が機内通訳として働いていた関係で、ハワイを含むアメリカへの旅ではNorth West航空をよく利用してきた。 今回も同様だった。
お世辞にも超一流のサービスとは言い難いが、ビジネスクラスを利用する限りかなり快適な旅が保障される。 今回も贅沢にもビジネスクラスでの旅となった。
搭乗時間ギリギリまで、ブラやその家族への土産を物色することで時間を費やしたが、ゲートに着いた時、まだ搭乗は開始されていなかったため、比較的早めに機内へと入ることができた。
私の席は二階の窓側だった。 二階席は、シートの横の窓際に荷物をいれるスペースがあるため、特にこの席を好んでいる。 いちいち席を立つ事無く、自分の荷物を取り出せるからだ。
いつものように一人で機中の人となった私は、74Kという番号の席に座り、荷物を収納し、コートをフライトアテンダントに預かってもらい、オレンジジュースのサービスを受けながら早々と席でくつろいでいた。
その便はオーバーブッキング状態(席数以上に予約を受け付け、搭乗できない人が出てしまっている状態)だった。 事前に遅い便への変更を受け入れる乗客を募るアナウンスがゲートであったのだが、やはり機内は満席で、North Westのスタッフも大忙しという様子だった。
そこへ新婚旅行とおぼしきカップルがなにやら大きな声でNorth Westのスタッフにクレームをつけていた。 忙しそうなスタッフには気の毒だったが、どうやら離れた席になってしまっているようだった。
とりあえず、それぞれ離れた席に座った二人は、男性の隣の席に女性客が現れると、スタッフが事情を話し席の移動をお願いしていた。 その女性は流暢な英語で、「全然問題ないわ。 どの席に移動したらいいかしら?」と答えていた。
おそらくはハワイ在住の日系人と思われたが、しかしその女性は日本人だった。 ただその英語力からして長くハワイにいらした方だと思われた。 席を移動することを気安く了解したその行動からもAloha spiritが感じられたからなおさらその感を強くした。
しかし、その後もNorth Westのスタッフは忙しそうだった。 非常口の前の席に幼い女の子が座っていたのだが、その席に座る人は非常時にスタッフに協力することを求められるため、幼い子供は座れないのだ。 そのためまた席の移動をうけいれる乗客を探しているようだった。
その子の隣には保護者とおぼしき女性が座っていたので、今度は二人同時に移動する必要がある。 私の席の通路をはさんで隣にいた、席を移動してもらったカップルと、私と私の隣に座っていた男性に「ご一緒ですか?」と聞いてきた。
カップルはそうだと答え。 私と隣の男性は別々だと答えた。 そこでスタッフはそのカップルに事情を説明し、席の移動をお願いしたが、彼らの答えは「できない。」だった。
自分たちは他の人の親切に甘えて隣同士に座れたのに、幼い子のために移動することを拒んだのだ。 しかも多忙な中頑張っておられるNorth Westのスタッフも気の毒だった。
彼女はしばらく迷った挙句私と、私の隣の男性に移動できないか控えめに聞いてきた。 私も、隣の男性も即座に「全然かまいませんよ。」と返事を返した。
その幼い子を連れた女性は私達に丁寧にお礼を述べられた。 我々は席を移動し、快適な空の旅を楽しんだ。 隣の男性ともしばし会話がはずみ、その方の娘さんがハワイでご結婚され孫の面倒を見に行くことなど教えていただいた。
その後、その方とはアラモアナビーチで偶然お会いし、また話に花を咲かせた。 その時はその方はお孫さんと一緒で、私もブラとその奥さん、子供も一緒だったので皆でハワイの話、子供の話などをしてちょっといいひと時を過すことができた。
あのカップルはハワイに買い物に行ったのだろうか? それとも美しい景色と快適な気候を楽しみに行ったのだろうか? 確かにそのどちらもハワイの楽しい過し方であることは間違いない。
でも、一番素敵なもの=「Aloha」を全く理解することなく帰ったとしたら悲しい限りだ。 ハワイでハワイの人々のAlohaに触れて、帰りは席を譲ることを楽しめるようになって帰ってもらえたらと思わずにいられない。
それとも買い物に明け暮れ、Alohaに触れることなく帰国してしまったのだろうか? 一般の観光客はそうなのかもしれない・・・。
でもこのブログを見ていただいている皆さんにはそのようなハワイを経験していただきたくない。 本当のハワイの魅力はAlohaとそれを与えてくれる人にあるのですから。
A hui hou.
PS 今年もよろしくお願いします。
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