夕方間近のワイキキ。 真っ赤に空を染める自然の一大ショウにその後にやってくる甘い夜の期待が膨らむ・・・
サーファーにとって、同じサーフスポットの波を仲間を分かち合うのは格別の時間だ。 その仲間がハワイアンの友人であればなおさらだった。
ブララも何本か波を譲ってくれた。 かれらのおかげで今回は何本かいい波を捕まえることができた。 1時間半ほどで、セッションを終えて海から上がった。
この時間の短さも僕には新鮮だった。 日本では3時間くらいは海に入っていた。 彼らは波の質に対してすごく贅沢なのだ。 少し悪くなるとあがってしまう。 いつでも波が豊富にあるからだ。
僕は日本では平日都会で仕事をし、週末海に向かうから、波乗りは週末の一日の全ての時間を使うものだが、彼らにとっては普通の日の時間の一部なのだ。
波乗りや海が生活に溶け込んでいる。
波乗りを終えると、昼メシを食おうと言うことになった。 腹を減らしたサーフボーイにはプレートランチが強い味方だ。
一度、家に帰ってボードを下ろしシャワーを浴びると、Greggは家に帰ってしまった。 Roydenと二人でメシを食いに行くことになった。 途中ショッピングセンターに寄りたいと言うので着いていくと車で待っていろと言う。
いぶかしく思っていると、タバコやビールを抱えて車に帰ってきた。 いたずら顔で笑っている。 なんとそれらを万引きしてきたと言うのだ。 Roydenはハワイのちょっとした不良でもあった。
身体が小さいが運動神経抜群で波乗りも野球も上手い。 ただ、身体が小さいので喧嘩はしなかった。 ちょっと万引きをしたり、車で走り回ったりするだけだった。
お母さんも彼の事を愛情を込めて日本語で「悪坊主」と言っていた。
タンタラスと言うワイキキの夜景の綺麗なスポットがあるが、そこまでは片側1車線の曲がりくねった道が続く。 街灯も無く、真っ暗な山道だ。 Roydenは高校生の頃、その車線全てを使ってダウンヒルレースをしていたと言うのだ!
"Very stupid...(すごい馬鹿・・・)"と自分で言ったのには笑ったが・・・ そんな彼と行動を共にすると今まで経験できなかった事が色々と起きてきた。 そのスリルもまたちょっと刺激があって楽しかった。
その数年後の事だが、Roydenと二人、夜Hawaii Kaiをドライブしていると対向車がパッシングをして、路肩に停車した。 それを認めたRoydenも車を路肩に止め、反対車線の車に走っていく。
何事かが起きているようだった。
続く
A hui hou.
最近のコメント