サンディービーチはLocalのビーチ。 僕が行くと顔を覚えてくれている仲間が声をかけてくれる。 "What's up, Louie" ここのサーファー達に受け入れられている幸せを感じずにはいられない・・・。
サンディービーチに着くと、僕は早速着替えを始めた。 しかし、Roydenは車を離れると他の車に近づき友達と挨拶をかわしている。 ここのサーファーでRoydenを知らない者はほとんどいないようだった。
彼と彼の家族は、ちょっとした有名人だった。 それは彼らが誰に対しても心を開き与える人たちだからだった。 今夜家にでヒバチするから食いに来いよ! 友達にこんな風にすぐ声をかけるのだ。
「ヒバチ」は日本語の「火鉢」からきている。 バーべキューのことを彼らはこう言う。
すぐ海に入らないのも日本人サーファーには慣れが必要だった。 波を見たらすぐ海に飛び込みたくなる習性を持っているのがサーファーだとばかり思っていた。
グレッグも同様に友達と話をしている。 Roydenは自慢げに"This is my friend Louie from Japan."と僕を紹介してくれる。 "Oh、 from Japan!"と皆反応してくれる。 「日本からよく来たな。」と歓迎してくれるのだ。
ひとしきり友達に紹介されるといよいよ海に入ることになった。 波をチェックし、その日のサイズ、ブレイク、カレントなどを理解すると入念にストレッチングをして海に入る。
いよいよ久しぶりのサンディービーチのブレイクだ。 前回はあまりライドできなかったが、今回はRoydenとGreggがいる。 本当に心強かった。
水が信じられないくらい美しい。 心がストークしていく。 心の中の堅いモノがすーっとサンディースの海に洗い流されていく・・・
左沖のピークには、ハワイアンを含めた何人かのLocalが陣取って波待ちをしている。 Roydenはその中に入って行くが、さすがに僕にはためらわれた。
その輪の中にひときわガタイのでかいハワイアンがいた。 1年前初めて彼らに出会ったときにも彼はいた。 ブララという名前だったのを覚えている。
彼も僕に気づいたようだった。 僕の顔を認めると、ピークに手招きしてくれている。 こっちに来いというのだ。 サーフィンは良い波を捕まえるのにもっとも適したポジションがある。
そういう場所には普通その地元のサーファーが占領しているのだが、そこに来いというのだ。 少しずつパドルしていくと、彼もパドルで近づいてきた。 そしてちょっと考える表情をしながら、「名前を言うな。 今思いだすから! Louie! だろ? 元気か?」と表情を崩しながら握手を求めてきた。
僕も「ブララだろ。 よく覚えてるよ。 去年はありがとう。」といって握手した。 彼とはビーチでしばらく話をしただけだったが名前を覚えてくれていたのだ。 彼に名前を覚えてもらっていたのは本当に嬉しかった。
その後経験したのだが、彼らは名前を覚えていない時は、それを本人には極力隠そうとする。 周りの友人にこっそり聞いて、本人には名前を呼ぶのだ。 これも彼らの気遣いだ。
続く
A hui hou
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