僕の大切な宝であるブラ、グレッグ。 彼のルーツは沖縄。 男ばかりの4人兄弟の2番目で、彼の兄弟は皆優しくいい男ぞろいだ。 弟は双子でグレッグの先をこして結婚しているが、奥さんがいないと未だに僕は二人の区別に自信がもてていない。 彼とは昔、サーフィン関係のビジネスを一緒にやろうと考えていた時期があった。 彼はそのためにビジネスを学びに学校に通い、サーフィン業界を知るために、サーフショップで働き始めた。 しかし残念ながら、そのビジネスを上手く立ち上げることはできなかった・・・ 僕は彼の期待に答える事ができなかった。 でもいつか彼にも恩返しをしなければならない。 そして一緒に人としての幸せを分かち合わなければ、僕は彼を裏切ったままになってしまう・・・
勤労感謝の日の今日、波のコンディションがあまりよくなさそうだったので仲間と協議の末波乗りを中止し、家でクルーズしていた僕の携帯が鳴った。
ディスプレイを見ると「公衆電話」とある。 いまどき公衆電話から連絡してくる奴って・・・? といぶかしく思ったが、電話に出てみた。
「もしもーし」聞きなれた声だった。 そう僕のブラのグレッグからだった。 先週、彼から日本に行く予定だとメールが来ていた。
彼は今年の初めごろから兵庫出身の日本人の女性と付き合っているが、その彼女の兄弟に不幸があり一緒に来ていたのだ。 彼女の気持ちを察すると複雑だったが、彼の声を聞けたのは素直に嬉しかった。 気持ちが一気に和んでしまった。
「今彼女と京都にいるんだ。」「マジ? 最高の季節だよ。 いいなぁ。」「それより元気?」「ああ、ちょっと忙しいけどな。」「そう思ってお前に連絡しなかったんだ。 だってお前に連絡すると忙しいのに会社休んだりして必ず時間作ろうとしちゃうだろ? 迷惑かけられないよ。」
「何言ってるんだよ。 一緒に飯でも食えたらいいじゃん。 なんでもっと早く連絡くれなかったんだよ? 先週の後半大阪に行ってたんだぜ。」「本当か!? くそっ! 日本に着いたらすぐ電話すれば良かった! そしたら会えたのに・・・」
今回は観光が主目的ではないから東京には来ないので会えそうも無い。 「残念。 でも年末はハワイで会えるからまぁいいか・・・」 そんな話をして電話を切った。
Roydenの紹介をした投稿ですでに彼は登場しているが、彼ともRoydenを通じて知り合った。 最初の年、皆とサンディースで出会った時には彼はいなかった。
翌年、Roydenの家に泊まると僕らを迎えに来てくれたのがグレッグだった。 本当に柔らかな優しさがにじみ出ている奴だった。 もう17年前の事だ。
初対面から僕は心が和み、すぐ友達になれることを確信した。 その彼がRoydenと時々軽い口論をしていることがあったが、後にその理由が彼から明かされた。
Roydenは定職についていなかったため、ガソリン代が出せず彼に迎えにきてもらっていたようだ。 タバコも彼に買ってもらっていたようだ。 僕に言えばその程度のことはいくらでもしたのに・・・ 家に泊めてもらっているのだから。
しかし、RoydenがGreggのことをブラとして本当に好意をもっていることは誰の目にも明らかだった。 だからこそ、グレッグは麻薬におぼれたRoydenに何かしてやれなかったか悔やんでいるのだ。
グレッグは優しい奴だったが、最初からいつも僕と遊んでいたわけではなかった。 僕がRoydenと距離を置くようになってから彼やJonnyとは急速に親しくなっていった。
グレッグは今は一人でワイキキから程近いKaimukiというところに住んでいるが、もともとは家族でHawaii Kaiに住んでいた。 今もそこには彼の両親が住んでいる。
年末、クリスマスが近づくとハワイでもクリスマスツリーを飾り、その下にもらったプレゼントを置いていく。 そして、クリスマス当日にそのプレゼントを開ける。
実家に戻って一緒に食事をしたり、心温まるシーズンでもある。 一方、そのための準備や、観光が大きな産業であるハワイは多くの人が忙しい時期でもある。
だから、クリスマス前にハワイに入るとあまりブラ達とも遊べないのだが、チケットの価格が上がる前には現地に入るのがいつもの僕のやり方だ。 今年は12月21日にはホノルルに入るつもりだ。
ちなみにハワイ語でメリー・クリスマスは、"Mele Kalikimaka"という。 年末にハワイに行く方は、ちょっと使ってみたらいかがでしょう? ハワイアンに言ったら喜んでくれると思うけど・・・
グレッグはワイキキのある高級ホテルでベルボーイとして働いている。 だから、彼の写真を見て、「あ、知ってる!」と思う方もいるかもしれない。 エステティシャンの高野ゆりさんや俳優の高橋英樹さんご一家も彼が働くホテルで毎年年末にはよくお見かけする。
そのホテルで彼が働く姿を見れば誰もが彼のファンになってしまう。 優しさがあふれる人懐っこい笑顔と、身体を動かすことを全くいとわない仕事ぶりは賞賛ものだ。
続く
A hui hou
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