この箱が何だか分かるだろうか? 箱の中に見える赤いものの正体は、爆竹だ! タバコの火でもあろうものなら大変なことになる量だ。
ハワイで大晦日を過したことのある方ならご存知だと思うが、ハワイでは爆竹を鳴らして新年を祝う。
これは中国系の移民がハワイに持ち込んだ風習だ。 気の早い人間は大晦日の昼間から自宅のガレージなどで爆竹を鳴らして遊んでいる。
ランスのクレージーなところは爆竹でも一番になろうとしたことだ。 彼らの友達の弟がミレラニという場所で大きな家に住んでいる。 彼らもまた建築関係の会社を父親から引き継いで成功している。
ミレラニは、ワイキキから西へ車で1時間弱のところにある。 アウトレットで有名なワイケレのさらに先だ。 割と新興な住宅街だが、丘の上にあり、夜になるとジャケットが欲しくなるほど気温が下がる。 この気候のダイナミックさもハワイらしいところだ。
ランスやその仲間はそのミレラニの家の前で、「大爆竹ショー」を企てたのだ! ランスのやることだから半端じゃない。 このような木箱を数箱用意し、とんでもない規模になってしまった。
普通、爆竹は1本毎火をつけて鳴らす。 多くてもせいぜい10本程度だ。 1本が直径1センチ弱、長さ10センチ程度だろうか。 それが数百本導線で繋がったものを彼は用意したのだ。
その購入資金は全部彼自身とその仲間で自腹で購入し、友達を招待して、ミレラニで「爆竹ショー」を行うのだ。 何年前からそれがスタートしたか今では記憶が定かではないが、毎年の恒例行事になっていった。
食べ物の差し入れなどを準備して、ミレラニの家に毎年集まった。 近くの住民もカメラやビデオを手にかなりの人数が集まるようになっていった。
年末になるとブラは時々ランスの家に行って、爆竹のセッティングを手伝っていた。 招待されるのだから、力を貸すのがハワイアンスタイルなのだ。 ただ黙って招待されることは無い。 自分も額に汗して一緒に仕事をするのだ。 その準備はかなりの重労働だからだ。
大晦日の本番では、いつも僕らは全員マスクをして、セッティングを手伝い、最後の大掃除も一緒にやる。 これに加わらないのは、女性達と近所の住民。 男の友達は全員加わる。 加わらない男は友達の友達といった、少し関係が遠い人だ。
だから、一緒に掃除をすることがなんとなく誇らしく、嬉しいのだ。 自分が仲間である事を感じられる瞬間だからだ。 ハワイアンの友達の中に加わって唯一の日本人である僕が一緒に力を合わせて楽しいショーをやっているのだから。
また次回もこの爆竹ショーのさらなるストーリーをお話したい。 さらに凄いことになっていくのだ・・・。
A hui hou.
コメント