僕のブラの一人のKelvin(ケルビン)。 シャイな日系ハワイ人。 福島と沖縄の血をひく純粋な日系人だが、彼らの祖父母の時代は沖縄はまだ日本に返還されていなかったせいか、沖縄人と日本人は別に考える傾向が若干ある。 だから、沖縄と日本人のハーフ?
空港に迎えに来てくれたケルビンのトラックの助手席に揺られ、H1に乗ってワイキキ方面を目指すと右手に海が輝き、左にはマノア渓谷にそって立ち並ぶ家々と山の緑が目にまぶしい。
また、僕はここに“帰って”きたと言う想いを強くする。 風がその香りと柔らかな感触で僕の身体を優しく包み、僕を歓迎してくれる。 これから始まるブラ達との最高の時間に想いをはせると嫌がおうにもテンションが上がってくる。
しかし、その柔らかさとゆったりとした時間の流れが、どこか気分を安らがせてもくれる。 この微妙なバランスが最高なんだ。 それは冬のカントリーで巨大な波にチャレンジする前の緊張感とその後の充実感や夕方のムードに包まれながらのリラックス感に通じるものがある。
緊張とリラックス。 この緩急が都会の生活に疲れた心をリフレッシュさせてくれるのかもしれない。 ここハワイに来たら、日本のような分刻みの行動はやめにしたい。 「郷に入っては郷に従え」ということだ。
昼食を済ませ、ワイキキの中にあるJonnyが働くホテルに向かう。 また、ワイキキにやってきた。 さまざまな人々が行きかう世界的なリゾートに間違いない。 夜の乱痴気騒ぎや買い物には確かにいいところなのかもしれない。
しかし、正直僕はここにステイするのはあまり好きじゃない。 窓を開けて波の砕ける音を子守唄にまどろむのは最高なのだが、そのまま朝まで寝てしまうと、ビーチの喧騒や無粋なバスや大型トラックのエンジン音で夢の中から無理やり引っ張りだされてしまうからだ。
本当のハワイらしさを味わうなら、ワイキキを避けるべきだと僕は思っている。 ただ、現実的には、ブラの働くホテルで従業員並みのレートで宿泊でき、1階におりればブラがいる。 彼が休みのときでも、ここのスタッフのほとんどは僕の顔を覚えていて、皆笑顔で迎えてくれる。 困ったことがあっても彼らにいつでも相談できる環境は恵まれているのは事実だ。
ここの部屋を掃除してくれるハウスキーパーのオバちゃん(Oops! Excuse my language, ya.)たちでさえ僕のことを知っていて、「まぁよく帰ってきたね。 また会えて嬉しいよ。」と声をかけてくれる。 皆本当に笑顔が素敵でフレンドリーだ。
僕は毎日チップとして$2を枕元に置くのだが、欧米人はチェックアウト当日にまとめて置くケースが多いらしい。 しかし、ハウスキーパーもオフの日があったり、毎日同じ部屋を担当しているとは限らないので、毎日小額でもチップがあった方が嬉しいらしい。チップは同じ職種のスタッフ全員で平等に分けるケースも多いようだが。
ホテルにケルが一番大きい荷物を抱えて入っていった。 その後を追って、僕も中に入る。 そこには、以前にもまして身体がでかくなったJonnyがいた。 おそらく130キロ位ありそうだ。 僕を見るなり、カウンターを回って中から出てくると、握手しながら、ハグして再開を喜び合った。 いつあってもJonnyに会うと心の全てのウミが流されていくのを感じる。
彼に会うたび、Jonnyのブラでいられることの幸せを感じずにはいられない。 今までも精神的に苦しい時にどれほど助けられたことだろう・・・。 特に何もしなくても彼の存在そのものが大きな意味を持っている。
きっと僕以外のハワイのブラたちにとってもそれは同じことだと思う。 もちろんケルビンやグレッグなどの仲間達もお互いにそうなんだと思う。 僕の存在がどれほど彼らに意味のあるものであるのかー?
大金持ちにならなくてもいい。 ただ彼らに「お前のおかげで楽しい人生だよ」って言ってもらえたらどんなに嬉しいだろう。 JonnyもGreggも奥さんや彼女に日本人を選んだ。
だから、今まで以上に日本に頻繁に来たがっている。 しかし、仕事を休む限界と金銭的な問題で当然そう簡単にはいかない。 奥さんや彼女はもちろん日本に時々は里帰りしたいはずだ。
僕がそのための力になりたい。 彼らのライフスタイルを理想のものに近づける力になりたいのだ。 それが彼らが僕の人生の中に存在してくれることへの僕からの恩返しになると思うから。
A hui hou.
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